おかべあさみのブログ

クラリネットを吹いています。アレクサンダー・テクニークの資格(ATI)を取るためSelf Quest Lab在籍。

静かな時間を味わう

こんにちは🌞

先日お誘いいただき、とある演奏会を聴きに行きました。ピアノコンチェルトてんこ盛りプログラム。大変聴きごたえがありました。。笑

そこで気づいたことがあったのです。

 

わたしは今まで演奏会の"しーーーん"とした空気が、実は苦手だったということに。

居心地が悪いというか、身体が固まってくるのです。

自分が演奏をする立場でもそうでした。

自分のソロなどは良いのですが(それも面白い)、オケなどで演奏者として席に座っているとき、長い休みが苦手でした。

ソリストなんかがいて、カデンツァを聴きながら座っていたりすると急にドキッとして、身体が固まってくるのです。

その場の音楽は聞こえているけど、一生懸命集中して聞いている感じ。

音楽を邪魔しちゃいけない、人の迷惑になってはいけないから可能な限り静かにしてなきゃ、という頭の中の声と共に・・。

呼吸もかなりしづらく、心臓がずっとバクバクしていて、倒れるんじゃないか・・と心配になったことすらありました。

 

掘り下げてみると、日常レベルでもやはり人がたくさんいるところでの"しーーーん"とした時間はなぜかわたしにとっては辛く苦手でした。

(ああ、またこの固まる時間だ。怖くて動けない。これは何なんだろう。でもやり過ごすしかないな。)と当時は思っていました。

 

でも、自分に起きている反応には少なくとも原因があると今は感じています。

 

 

身体や思考の習慣やクセを変えていこうと思ったとき、自分と向き合うということに丁寧に取り組んでいくと、モヤっとしていた絵の解像度が上がるように、明確に、それが何なのか浮かび上がってきます。

自分がやっていた身体や考え方のクセには深くなればなるほど気づきたくなかったことも含まれていたりします。良いことだ、正しいことだ、もしくはそれしか知らず無意識にやってたわけですから。

でも、気づくことに良いも悪いも無いと思っています。ただ気づくだけ。

自分の存在を無視することなく、向き合い、時には待ってみたり、眺めてみたりすることが少なくともわたしには安心する土台になり、前進することに繋がるのだと。

 

以前は何かに気づいては、ああまだこんなにわたしには問題があるのね。。と落ち込んだり、立ち向かわねば、直さなきゃ、と躍起になっていたのですが、

だんだん自分の身体に起きることや考えていること自体がなんとも不思議で、考えてみるほど人間らしく、ちょっと可笑しいというか・・・これってなかなか楽しいことに取り組んでるんじゃないの??と思えてくるようになりました。

そして、習慣やクセと一緒に生きていこうよ。気づいたらいい。アプローチし続ければいいんじゃないかなあ、と思えるように。

 

 

さて。

ここから、先日体験したことです。

ピアノコンチェルトなので途中に見せ場のカデンツァがあります。カデンツァは奏者が即興的に間をとるので必ず"しーーーん"があります。。

ですが、心身ともにウッと固まるあの時間、あの反応は起きませんでした。

 

コンサートホールの椅子に座り、瞬間瞬間に空間に響いている音楽を聴き、肌で感じ、落ち着いた呼吸を繰り返し、舞台を眺めている。

音楽を受け取り、身を委ねている感覚。静かで心地よいと感じる時間でした。

 

心身ともに自由な状態は、落ち込んだり、乗り越えようと躍起になったり、正解はこれだと押し付ける時にはやってこないものだなーと深く感じました。

自分への好奇心と実験、対話を繰り返すことで身体・思考への気づきの目盛りが増えていく。

自分にとっての事実に気付いた。・・・じゃあどうしよう?やってみよう!どうだった?・・・そんなシンプルなプロセスを辿ることで少しずつ育っていく。そうやって変化はやってくるのだと思います。

 

 

たどり着くのに時間がかかっても価値のあることはあるよね。大変だー。でもそっちを選べてよかったねー。

・・・そんな自分との対話はこれからも続きます。笑

 

それではまた🌞