おかべあさみのブログ

クラリネットを吹いています。アレクサンダー・テクニークの資格(ATI)を取るためSelf Quest Lab在籍。

癖と変化のプロセス

久しぶりのレポートです(!)

先月になってしまいましたが、愛子先生のATの授業を受けて、これは書き留めねば...と思い、書いています。笑

 

テーマは、アンブシュアと口腔内の状態(舌の動き)について。

アンブシュアについては今までも演奏でうまくいかないなぁと感じるたびに、試行錯誤してきているお題ですが、最近楽器を吹いていて明らかに「あ、この方法ではやりたい事がうまくいかないんだ。」と思うところがありました。

 

起きていることとしては、

・音域によってほぼ無意識に舌が下がってしまう

・舌が下がることで息を多く使ってしまい、もたない

・喉の辺りや首に圧力(ストレス)を感じるので、息を吸うときにその圧力が抜けるのを少し待たなくてはならず、特にテンポの速い曲だと疲れを感じることが多い

・鼻抜けは頻発しないが、喉に圧力を感じるときにたまに起こる

挙げるとこんな感じです。

 

吹きたいフレーズに対して呼吸(息)のプランを持つことは根本だと思いますし、今までも↑で起きている問題を息の使い方(それをしやすい身体の使い方のプラン)によって緩和してやってきたんだろうなぁと思います。最近練習をしていて思うところも多くあり、今回ATの授業で相談をしてみたのでした。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、授業内のレッスンでいただいたご提案は、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

①まず楽器を他の人にわたしの口まで運んでもらう(どのタイミングで楽器が口元に運ばれるかわからない状態)

②口の中に徐々に楽器(マウスピース)を入れていく。同時に必要な分だけ口を開け、リードに接している下唇の巻き込みも起こり、マウスピースを咥えている状態にする。

③息を吸って、すごくゆっくり息を吐いていく。(この時点ではまだリードが振動しないので音が鳴らない)だんだんと息のスピードを上げていくと、上唇と下唇がキュッと寄っていく感じに。続けていくと、ある時点でリードが振動する(音が鳴る)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

このような手順で吹いてみるというやり方です。

 

そのやり方で音を出した後、いくつかのフレーズを吹いてみた結果としては、

・いつもの喉や首あたりにかかる圧力が減った。鼻抜けが起こる気配は全くない

・舌が下がっている感じもしない

・息が長く持つ

・息がまとまるので音に張りがありレガートがかけやすい

・特に跳躍のコントロールがしやすい

 

あれこれ言っていますが、、、、

なんか、いいぞ、、、!!!

というのがわかったのです。笑

 

 

レッスンの中でのポイントは、私が普段やっているアンブシュアをつくる手順とは違った手順で行った、ということです。

◎いつもならアンブシュアを作ろうと思うと下唇を内側へ必要以上に巻いてしまう癖(セットしてしまう)があった

→マウスピースが入る分だけ口を開けようと思うと?

・下唇を内側へ巻き込もうとすること

・下顎を必要以上に下げること

・舌が下がること

をやめられるようでした。

 

→ゆっくりなスピードの息を吐いていき、徐々にスピードを上げていくと?

・口輪筋(上唇と下唇が閉じていく、寄っていく筋肉)がいつもより多く使われている感覚があった

・リードが振動して音が出る時点、吹き続けている間の筋肉の使われ方、出したい音に対しての必要なお腹(息)の使い方が実感できた

 

 

さて、このアンブシュアと舌の探究を始めて1ヶ月ほど経ちました。

最初は無意識でやっている構え方(アンブシュアをセットする)をやめ、新しいやり方を選ぶのもひと苦労でしたが、毎回意識をしていると新しいやり方を選びやすくなってきたことを実感しています。

古いやり方が戻ってきやすくなる時はやはり「自分が何かに対して身も心も構えている時、備えている時」だとも感じます。咄嗟に選ぶやり方が"癖"なんだなと。

そんな時も自分に対して"気づき続けること"は役に立ちます。違うやり方をすでに知っているのですから、気づいたらまた選び直してみるのです。

これはATを学んできてだんだんと身に付いてきたスキルと言えるのですが、最近明らかに以前の自分と違っているなぁと思うことは、「新しい物事(変化すること)に対しての受け取り方と向き合い方」です。

以前なら癖と向き合うことは、苦行?修行?のようなものと思っていて、見つけた課題は乗り越えなければいけないもの、ヤバいヤバい!・・・という無意識な心の声が強く、それが身体の使い方を狭め、固めや負担を生んでいました。

 

最近は古い癖がまた戻ってきた時や、今回のように強い癖があるのを実感した時に、「ひぃ〜〜〜😂😂😂」とは思うものの(笑)

さて!と、気を取り直して、

「じゃあどうしようかな?」

「身体のどこを優先して動かすといいのだろう?」

「うまくいかないのならもう一度戻って観察してみよう」

「なんでこうなるんだろう?不思議だなー」

などなど、、、

このように、自分の身体と心に素直に気づきながら試していくプロセスを通して、少しずつ選べるようになってきたように思います。

「どうしようかな?」というほんの少し自分自身を思いやるような間を取れる。これが身に付いてきたスキルだと思っています。

たとえ一回取り組むだけでは数ミリしか進まなかったとしても、または数ミリ進んでいることに気づかなかったとしても、続けることが大切。そして続け方が大切。時間が経ったときに、取り組み始めたときとは全く違った景色が見えることはよくあります。

失敗しても選び直せる、気づいて何かを変えてうまくいった、楽になった、何かに対しギュッと構えるのをやめられた、、、このプロセスや事実が腑に落ちていると、やり方を再選択することや新しいことを取り入れて変化することが楽しくなってくるようです。気づけてよかった!と素直に思うことが増えたのです。

ATを学んでいなければ受け取り方も取り組み方も、それを人に伝えることも、、、全く質が違っていたと思うので、これは本当に大きな恩恵です。

 

今回は大きなテーマではありますが、やはり変化のプロセスを大切に続けていきます。癖も含めて自分自身。自分をおおらかに受け止めて、見える景色が少しずつ変わっていくといいなぁと思いながら😊

いつもあたたかく細やかな提案をしてくださる先生方に感謝です。

 

また更新します✨