先日のアレクサンダー・テクニークのクラスと、順子先生の個人レッスン。(長時間あっという間。濃い時間でした...!)わたしのアレクサンダー・テクニーク人生において、とても大切な日になりました🌸
お題は、ここ最近気になっていた「ただ、立っている時のバランス」と「立奏で楽器を吹いている時のバランス」です。
最近、「立っている→次の動きをする」という探究と共に呼吸の探究もしていました。
電車の中で立っている時とか、レッスンで立って教えている時とか、立ち話している時とか、立奏をしている時とか。。
「立っている→次の動きをする」と共に、「呼吸」はどんなふうに変えられるんだろう?と試していたのでした。
ただ立っているときなら呼吸もスムーズ。楽でいられます。
ですが、立奏の時は楽器を身体の前側で腕や背中の筋肉で支え続けるという動きも加わるので、ただ立っているときとは身体全体のバランスも変わります。
立奏になると、座奏のときよりも呼吸のしづらさと指の動かしづらさを感じていました。
さてさて。レッスンの中で立奏をしつつ自分の観察をしてみます。
順子先生から「股関節の動き」と「骨盤の傾き度合い」を選んでみるというご提案をいただいて、試してみました。
股関節を少し余裕をもたせるように曲げ、骨盤の傾き度合いを前傾にしてみたり、また戻してみたり、曲のフレーズの中で動きながら試してみました。
まず胸郭の動きが増えて息も吸いやすく、吐きやすい。指の動きやすさも感じました。
また、自分を観察する中で少しずつわかってきたことは、フレーズの中のその瞬間に出したい音によって、
「動きの度合いは演奏の中で選択し続けることが出来る」
ということでした。
文字にすると何ということはないのですが笑、、、
出したい音色(息の種類)は、自分の身体の動きの度合いを開拓していくことでもっと増えるのだということが実感できました。
裏返すと、ずっと前にアレクサンダー・テクニークのレッスンで得た、股関節や脚に対しての動きのアイデアを無意識に使い続けていて、いつの間にか動きではなく、ひとつの姿勢でいることが良いものだと置き換えられて、その状態に留まりやすくなっていたのだと気づきました。
動きの度合いはその都度選べるものですね。。
また、個人レッスンでも引き続きこの立奏について探究をして、「トップジョイントでの動きを自由に選ぶ」「脚の動きもより参加させる」というヒントもいただきました。
特にトップジョイントの体験に関しては目から鱗でした。。。
まず、後頭部と顎先にそれぞれ手で軽く触れ、サポートしてもらいます。顎がリーディングエッジ(動きが始まる場所)と思って、頭がかる〜く脊椎の上に乗っていて前を向いたり、上や横を向いたり、いろんな方向へぐるぐると自由に動けます。
今度は、自分自身で頭を好きな方向へ動かしながら演奏してみました。頭の位置が高く、視界が広い。目も楽。頭の行く方向に胴体がついてくる。腕もついてくるので指が動きやすい。呼吸もしやすい。あ、頭がトップジョイントから自由に動ける状態で、首から下の身体が付いていって。。。。
わぁ、これってアレクサンダー・テクニークじゃん!!!(初心者?笑)
この経験で、緊張を手放すという意味が少しわかってきたと共に、今まで固めることで自分を守ってきたのだなーと感じました。
*心身の緊張を手放す、って?
私の場合、心理的・身体的に緊張すると、どうも視界が狭くなり、自分を守るような体勢に入ってしまっていました。守るというのは怖いと感じる何かがあるからです。適度な緊張するというのはパフォーマンスをする上で必要なことですが、これも度合いです。
これまで緊張の度合いについては、最終的に思考でどうにかしようとしてきたことが多かったなぁと感じますが、その場に来ると身体が感じているどうしようもない怖さや緊張に対しては頭で考えても対処しきれず、思考と身体の乖離が起きるというか、、基本的に振り回されてきました。
これまでアレクサンダー・テクニークを学んだことで心身の選択肢が増え、いろんな場面で自分らしく居ることができるようになってきたと感じるのですが、大ボスのような固めや緊張は手放せずにいました。
ですが今回、トップジョイントの動きを自分で選び演奏をした時、いつもの緊張パターンにはいかなかったのです。いつもの癖から一歩外に足を踏み出せた、そんな感覚でした。
コントロールできないような緊張のパターンがやってくるのは性格的に仕方がないのかなと以前は思っていましたが、今回の経験を通してようやく変わる兆しを感じました。ここからもっと選択肢が増え、もっと自由に演奏ができるかも、やりたいことができるようになるかも、と考えるととても嬉しいです。
*アレクサンダー・テクニークの心身統一体という考え
アレクサンダー・テクニークでは、身体と心(思考)は切り離すことはできず、相互作用している関係だという考えがあります。
今回のレッスンでは、身体の動きの面からアプローチをし、身体がどう感じるか?どう動くかをイメージして、観察を深く行ないました。
その時に、心理的・身体的に安全な(安心できる)環境というのがとても大切です。危険な状態では緊張は手放せないのだなと身をもって実感しています。
また、身体の面からのアプローチのレッスンは結果的に、アクティブな気持ちになったり、楽しい気持ちになっていくことが多いです。身体を動かしていくことによって自分の内側にいつからか溜めていたモヤモヤが発散、解消されていくのがわかりますし、思考とのバランスがちょうどよくなる感覚もあります。
演奏の変化に関しては、その場でやった慣れない動きなのでまだまだいびつではありましたが、何回か試すごとにだんだんと「このやり方ならいける」と本能が感じるのか笑、身体も心もオープンに、素直になっていくのがわかりました。演奏することは奥深いですね。。
技術的にいびつな部分は、ソルフェージュや、フレーズに対しての息づかいの明確なイメージと、身体の動きのプランをもって、観察しながらすり合わせてみます。
今回のレッスンでは、何か自分の悩みの根底の部分が顔を出し、それに頼らず手放せたことで進歩がみられたなぁと思います。
勇気をもって、自分の中の未開拓地を掘り進めていこうと思います。
いつも素晴らしい環境をつくってくださる先生と、変化を見守ってくれるクラスの皆さんに感謝。
写真は江古田の咲きかけ八重桜🌸